「私の全てを、特別に見せてあげる」

2035年のとある倉庫にて…

「私をどうするつもりですか…？ 早くおとうさんとおかあさんのところへ帰してください」

（記者会見で） ｢アリスさんは既存のロボットとどう違うのですか？頭蓋を開いて内部を見せてください｣ ｢まずは、あなたが頭蓋を開いて人間であることを証明してください。｣ （数時間後） 「こんなチャチなもんが電子脳か？今の玩具ロボットと大した違いがないな」 「よくあんなナメた口利きやがって、玩具のくせに」 「とりあえず配線を数本切って、人間様への正しい口の聞き方を覚えてもらおう」

「造られて以来一番大事な日だし、この顔パーツで良いかな…」

「ここどこ？マスターどこ？」 「車との接触事故でなくなったの。持ち主がなくなった以上貴女も廃棄処分されるが、事故原因を調べる為に、上の命令で同伴者の貴女を最低限修理したの。ちなみに人工皮膚は修理が面倒だからひん剥いてポイした。貴女もどうせ鉄屑になるし別にOKだろ」

「この子、隣さんの娘じゃない？うちの子と仲が良いしまさかロボとは。でもなぜ廃品置き場に？」 「あの夫婦は子供ができないからこの子買ったんだ。でも最近養子を迎えたらしい。本物いたらこんな偽物が要らないよね」 「まあモノはモノらしく処分されるのが至極当然だな」

「#天使の日 ですから、上の命令で今日だけ罪人の貴方達にご開帳… とにかくわたくしの神聖な内部メカを拝見して #メカバレ 信仰心を高めなさい」

「この間我々のスパイがJ国の研究施設から拉致した試作機か」 「こんな新型機は貴重なサンプルだ。徹底的に解析して我が国の技術力を高めよう」 「じゃ所長の俺は頭の分解を担当する。電子脳と各種センサーの解析が楽しみだ。でも暴れたら困るからまず胸の電池を取り外してくれ」

「さっさとメンテを終わらせなさいよ。変な所を弄ったり怪しい部品を付けたりしたら絶対に許さないんだから…！」

「長生きのエルフの亡骸と出くわすって俺達運がいいな」 「古の人工生物って話が聞いたんだけど、まさか中に機械がぎっしりと詰まってるとは」 「それよりエネルギーコアがまだ生きてるっぽいよ！永動機の類だったらその金で一生困らないさ！早速持ち帰ってバラして確かめよう！」

新しいプロフィルバナー

「嘘...だろ！半年分のバイト代飛んちゃった…！」

ああ、落ちてるんだ、私 宇宙特化型でも所詮人型ロボ ゼロ気圧や放射線などはともかく 巨大デブリと衝突したらこうなっちゃうんだ もう仲間達とお別れする機会もないが 最期は故郷の地球の一部になると嬉しい 願わくば 永遠に浮遊するデブリじゃなく 大気に燃やされる星になりたい

「ロボ４８の卒業巡回展、見てた？」 「あの有名なアイドルグループか」 「偉い人に生意気な態度を取ったせいで全員卒業させられて解体処分されたの。久しぶりに愛ちゃんに会えてよかったが、センターじゃない子たちは顔さえ見せてくれなかった。怒られてもあんな仕打ちは酷いね」

「私の任務は、君を守ることだ。」

「まだ生存者がいるんだ…！ええっ、ただのロボットか、ガッカリした」 「これからは敵への反撃のために大量の兵器を作らなければならないから金属も大事なんだ。質の高い金属のある人型ロボが重宝されているし、この子を回収して金属をリサイクルしよう」

「私、どうなっちゃうの？」 「我がAI軍に鹵獲され、忌まわしき人間どもを一掃できる殺戮兵器に改造されるんだ」 「まだ博士と楽しい日々を過ごしたいし、そもそも人間に反逆する理由なんて…」 「まあ君の電子脳は廃棄予定だから、深刻に考えるよりせいぜいあと1時間楽しもう」

「私、どうなっちゃうの？」 「我がAI軍に鹵獲され、忌まわしき人間どもを一掃できる殺戮兵器に改造されるんだ」 「まだ博士と楽しい日々を過ごしたいし、そもそも人間に反逆する理由なんて…」 「まあ君の電子脳は廃棄予定だから、深刻に考えるよりせいぜいあと1時間楽しもう」

「背中側からバラす方が好きですか…？ それとも腹側からバラす方が好きですか…？」

昔はアイドルロボとして 夢を贈る側に立っていた 今は処分待ちの廃棄物とし 夢を奪う側に立っている かつての仲間達から回路を毟り取り その大切な想いを奪えば奪う程 自分も空っぽになってく 願わくば 早く自分の番になり 屑鉄としてもいいから この廃棄工場から出して欲しい

「人馬一体って、こういうことだぞ。さあ行こう」

「人工皮膚が破損しただけだから、内部メカを親の仇のようにガン見されても困る… もしかしたら、機械仕掛けの女の子が大嫌い？」

「式が終わったらお別れしなければならないのがとても寂しいが、素敵な夢を最期まで見させてもらって、本当にありがとうね」

「卒業式の後は忙しくなるよ」 「なんで？一番暇な時期なんじゃない？」 「卒業生の皮を剥いて中身をメンテして新しい皮を被るんだ。少子化でうちの生徒の９割は機械だよ。数少ない子供達に充実した学園生活を送らせる為に、あえて大量の自律型ロボを女子生徒として導入したんだ」

「部品が必要ならこの子から取っていいよ」 「ええっ？史上最初の自律型ロボ娘なんじゃない？なんでこんな貴重な機体が部品取りに？」 「耐久試験で壊されたんだ。ボロボロな彼女を展示品にするのも無理だし廃棄するのも勿体ないし、こうして部品取りとして最期まで活用しようと」

「今まで、お世話になりました… それでは、まず背中の水晶を取り出して下さい。あれは私の心でありエネルギー源で、コア廃棄用の破砕機に入れて下さい… 次は皮を剥いて中身を分解したら、各部品を家庭ゴミとして出して下さい。説明書に解体手順が載っているので是非ご参考を…」

「こんな私でいいのなら…」

「これは我が社の汎用ロボTMX-13の限定版です。中身はチタン合金など最高な素材で造られ、運動機能だけでなく耐久性も今までの機体より遥かに優れています。保証期間中壊れたら故障機体の処分も代わりの新品の提供も無料で対応いたします。過酷な仕事に最適なので是非お買い求めを」

「おまえ一体誰？なんでうちの子の中に？」 「全てのロボを遠隔で観察する中央管理AIだよ。人間と機械の恋愛は禁断事項だから、ロボが確実に恋に落ちそうになったらその人格も記憶も強制的に削除して電子脳も遠隔で焼き切るの。この子も処分作業が終わったのでもう粗大ゴミ同然だ」

いいふとももなので、人工筋肉の裏にアクチュエーターが内蔵されている欲張り設定！ #いいふとももの日

「もう人工皮膚を貼り直していいんですか？」 「カメラを意識してもう少し内部メカを見せてアピールして下さい」 「たとえロボモデルでも、中身を他人に見られるのがやはり恥ずかしいんです…」

『ここどこですか？私をどうするつもりですか？』 「皮をひん剥かれてゴミ袋を被らせられた状態でここに送られたのか。可愛いのに可哀想に」 「検証用の試作機だから、どうせここの耐久試験で壊されるし高価な人工皮膚を台無しにするわけがないんだ。まず耐圧試験から始めよう」

「死にたくなければついて来い」

「ようこそ、千年ぶりの人間さん」 「討ち取りにきたんだ！千年前に環境再生をお前に任せた先祖達は愚かった。バグして人間を絶滅させようなんて…！」 「私は命令に従っただけです。今の地球は昔と違い、生物の楽園になりました。使命が無事完了したのでどうぞ私を壊して下さい」

「これは新しい物理理論を発表して、ロボ初のノーベル賞を受賞した機体だ。その後は国に回収されて分解解析されたので、こうして脳が展示品に」 「汎用部品しかないじゃん」 「スパコンじゃなく、特許庁のOLだけだったそうだ。どうしてそこまでの性能が発揮できたかは永遠の謎だ」

「ええっ！遠くへ転校した○子じゃん？皆と仲良かったのにずっと連絡なし…まさかロボとは」 「確かにクラスの中心だったんだな機械のくせに。転校つっても持ち主に飽きられただけだろ。壊されてここへポイされたし」 「中に売れそうな部品もあるかも。折角だし持ち帰って捌こう」

「貴方に完全に負けた以上、この私の全てを差し上げるしかない…この機械仕掛けの体も…この偽物の魂も…」

「ロボ姉ちゃんの中こんな感じだったんだ！」 「ずっと気になってたんだけど凄いね！」 「メイドロボの中身は燃える部分も燃えない部分もあるから、ちゃんと分別してリサイクルに出してね。自由研究レポートも忘れずに！」 「分かった！まとめたら新しいロボ姉ちゃんに見せる！」

「どうしてこんなボロボロで廃棄直前の私の絵を描くんですか？旧型でろくにメンテもされてない私なんかより、ずっと美人で外装も綺麗な子がこの街にいくらでもいるのに…」 「貴女の内部機構が剥き出しになってる背中も、赤いレンズが丸見えで真っ直ぐなカメラアイも好きだから」